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2020-09-01

【鉄道ファン図書館】9月新規公開図書のお知らせ


■9月1日新規公開分のご案内
創刊号から順に公開する「国鉄月号順」は1974年4~9月号の6冊,JR化後の各号を順に公開する「JR月号順」は1993年8・12月号と1994年3~5・7月号の6冊,合計12冊です.

■国鉄月号順のトピックス
1974年4月号を繰ってみると,巻頭に球磨川沿いを行く肥薩線のカラー,続いて信越本線のグラフ,そして巻末に北海道の蒸機走行線区の列車ダイヤと,文字どおり北から南まで「SLブーム」一色といった誌面展開が見られます.そのような中,わずか数ページではありますが,当時としては異色の新幹線の記事に目が止まりました.全国新幹線網に呼応した961形新幹線試験電車の紹介記事です.時に東北・上越新幹線の建設も始まっており,東京駅を中心に長距離運転も計画され,食堂車はもとより寝台車や個室まで,実現可能な仕様を採り入れた車両がこの961形でした.全6形式の形式図を見ると,当時の夢が託されていた車両であることが良くわかります.

■JR月号順のトピックス
E351系が登場し“ゆうづる”が引退した1993年12月ダイヤ改正,全2階建て新幹線・E1系のデビュー,ジョイフルトレイン全盛期,そして南海50000系「ラピート」の誕生と,表紙を眺めているだけでも,当時の鉄道事情がうかがえます.とりわけ1994年9月開港の関西空港に向けて新製された「ラピート」については,そのスタイリングには驚かされたものでした.7月号では「ジョイフルトレイン」を特集する一方で,この「ラピート」をはじめ関西空港を取巻く鉄道輸送にも注目,連絡橋や駅などの施設から列車運行までを公式記事をもとにページ構成いたしました.鉄道による空港アクセス輸送が活性化し始めたのも,平成初期のムーブメントといえるでしょう.

■「交友社 鉄道図書館」からの移植コンテンツ
○[機関車] > [機関車の構造 及 理論〔中巻〕]
 昭和7年に交友社から初版が発行された書の,昭和31年改訂増補第22版です.機関車工学会の著書となっています.発行年代と版数から,国鉄蒸気機関車の製造が終わり,その総括の書となっていることがわかります.今月公開するのは上・中・下の三冊に分かれたうちの中巻で,本文だけで646ページある大書です.先月公開した上巻とともにご覧下さい,なお,来月公開予定の下巻をもって全巻完全収録となります.